省エネとエコに貢献可能な会社の太陽光パネルブログ:2017年08月21日
「背中を洗ってくれないか」
と、パパに言われた。
このパパというのは、実は妻のパパである。
ボクは一瞬戸惑ったが、
「え?!あっ!はいっ」
と言いながらタオルを構え、パパの背中にあてがった。
初めてパパの背中というものに触れた。
なんか丸っこくて大きくて、何だかゴツゴツしている。
上手に洗ってあげようと思えば思うほどうまくいかない。
タオルがねじれてしまう…
今度はパパがボクの背中を洗ってくれるらしい。
ボクは静かにパパに背を向ける。
パパは、なんていうか、力加減を知らない。
すごく力強くて、体についている必要なものまで
洗い流されてしまいそうな感じ。
思わずボクは、身をよじってしまった。
「すまん」パパは申し訳なさそうに、
「ムスコの背中を洗うのは難しいな」と言った…
ボクは物心のついたころから、
女手ひとつで育てられてきた。
我が家にパパがいないことを悲しがらなかったのは、
母親の育てかたが上手だったからだと思う。
溢れんばかりの愛を注いでくれたので、
ボクはとても幸せだった。
とは言え
パパのことを思わなかった訳ではない。
ただ、そのときボクがイメージするものは
どれも好感の持てないものばかりだった。
無口!ガンコ!厳しい!
正直、「パパは怖い」という印象しかなかった。
そんなボクに父ができたのは、
ボクが結婚をしたからだ。
妻のパパは、ボクにとって不思議な存在だった。
格好なんてつけない。不器用だけどまっすぐ。褒められると照れ隠しする。
大きなお世話なことばかりする…
ボクは、パパというものに対する印象が
まるっきり変わった。